3PL事業者の特性
3PL委託の注意点を取り上げてきましたが、3PL事業者の特性も理解しておく必要があります。ここでは、3PL事業者の強みや事業構造などについて取り上げます。
3PL事業者の強み
3PL事業者と一口に言っても、その出身母体によって強みが違ってきます。3PL業務を委託する際は、その特性を理解した上で委託先を決定することが大切です。
一番多いのはやはり物流事業者をルーツに持つ3PL事業者です。強みは何といっても実務の運営力です。そのための情報システムが整備されていることも多く、頼りになる存在です。また、提案力を磨いている企業も多くなっています。確認すべき点としては、3PLの基本である荷主の立場で提案しているか、また物流の枠を越えた提案ができているかという点です。
コンサルティング会社が3PL事業を行っている場合があります。提案力は負けないものを持っていると思われますが、プランを着実に実行できなければ成果には結び付きません。確認すべき点は、実務にどれだけ精通し、管理運営ができるかという点です。
情報システム会社が3PL事業を行っている場合は、物流事業者が整備しているものより機能が優れている情報システムを持っている場合があります。ニーズに合った情報システムがあれば、業務がスムーズに進むと思われます。この場合、提案力や実務運営能力を確認することが必要です。
その他の事業をしている企業が3PL事業を行っている場合があります。この場合は、いろいろな形があると思いますので、提案力、実務運営能力、情報システム力などを確認することが必要です。
このように3PL事業者にもいろいろな強みがあることを理解し、自社のやりたいことにあった会社を選定することが、成果を上げるためには重要です。

3PLの事業構造
3PL事業者の事業構造を理解し、選定の際はこの点も確認することが必要です。
3PL事業者は、まず企画/提案のフェーズにおいて、顧客に3PL業務についての提案を作成します。提案を作成するためには、現状を把握し、いろいろなアイデアを盛り込んだ検討をする必要があります。この内容の深さにもよりますが、一般にコストだけが発生する期間となります。提案のためのプロフェッショナルをそろえておいたり、シミュレーションに使うソフトウェアを準備したりするためには、固定的なコストが必要となるからです。
すべての案件で成約すれば、提案コストは回収できるかもしれませんが、そうとも限りません。したがって、これらを負担できる企業体力があるかという点は重要な確認すべき点です。
次に3PL業務の実行フェーズにおいてです。業務開始当初は効率化策が成果を上げ、ゲインシェアリング(成果を荷主と3PL事業者で行う成果配分制度)を採用している場合は、3PL事業者の利益も多くなるのが一般的です。しかしながら、時間の経過とともに効率化の規模が小さくなることが一般的で、提案範囲が同じであれば3PL事業者は収入や利益が減少気味となります。しかしながら、現在の枠を越えたいろいろな提案や時代の流れに沿った提案ができれば、業務拡大や効率化が進むことになります。つまり、物流からロジスティクス全体を見た提案ができるかどうかが、確認すべき点となります。

委託先候補の3PL事業者は、どんな特徴を持っていますか?
ゲインシェアリングや3PLに委託に必要なことを次回以降に取り上げたいと思います。
(文責 中谷)
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