「3PL 2.0時代」の到来

3PLは“物流の単なるアウトソーシング”ではない

/3PLは、2005年の総合物流施策大綱では加筆されたものが発表されており、「荷主企業に代わって、最も効率的な物流戦略の企画立案や物流システムの構築の提案を行い、かつ、それを包括的に受託し、実行すること。荷主でもない、単なる運送事業者でもない、第三者として、アウトソーシング化の流れの中で物流部門を代行し、高度の物流サービスを提供すること。」と定義されています。

ところが、3PLとは「倉庫や輸送を外部に委託すること」、あるいは「物流会社に一括で業務を任せること」と捉えられていることが多いと思います。また、業務を受託する側も、単なる物流機能の提供に対して、営業的側面から3PLと称している場面も見受けられまし、物流業界のメディアの中にもこのような理解があるように思います。しかしながら、これは単なる物流のアウトソーシングであり、「本来の3PL」ではありません。

3PLは、荷主の物流部門の一員としてロジスティクスに関与していくことが、その本来の名称から求められていましたが、物流の領域にとどまることが多いのではないでしょうか。それは、多くの場合、物流部門は縁の下の力持ちのような存在とされ、生産や販売の指図に基づいて滞りなく業務を完遂することで、評価されてきた歴史があり、発言力が弱い場面が多いためと考えています。

ロジスティクスが経営課題になった2つの変化

しかしながら、二つの大きな転機があります。

一つは、2023年6月に「物流革新に向けた政策パッケージ」が発表されたことです。

その中では、「物流の2024年問題」に直面し、物流を支えるための環境整備に向けた具体的な施策として、「商慣行の見直し」「物流の効率化」「荷主・消費者の行動変容」が挙げられています。これは、今まで荷主の物流部門や物流事業者が行っていた効率化だけでは不足であり、その前提条件から変える必要があるということを示したものと理解しています。

もう一つは、「物資の流通の効率化に関する法律」の施行です。

2025年度からすべての荷主・物流事業者に対する規制的措置(努力義務)が課され、2026年度からは一定規模以上の特定事業者に対する措置(義務)が課されるようになりました。なかでも一定規模以上の特定荷主には「物流統括管理者」の選任が義務付けられるようになりました。物流統括管理者には、法令上の責務を超えたCLOとしての役割も期待されており、ロジスティクスに注目が集まっています。

なぜ今、3PLが必要なのか

このような環境は、3PLの本来の役割が求められる時代です。

現在荷主企業は、物流と生産や販売を対象として施策を実行していくことが求められていること、本来企業にいるべき役員クラスの物流統括管理者(CLO)の選任が求められていることです。物流統括管理者はCLOの役割も期待されていますが、選任義務は特定荷主に限られています。しかしながら、特定荷主でなくても物流統括管理者を選任し、成果を上げていくことが有利なのは明らかです。つまり、多くの企業が、さらにロジスティクスに着目するということです。そして、これらの企業を支援する役割にあるのが3PLです。

3PLは、今まで物流部門の一部を代行することからロジスティクスの改革を進めようとしていましたが、これからはそれに加え、物流統括管理者やCLOの業務をサポートし、本来の名称でもあるロジスティクスの改革を支援する役割も担うことが求められると考えられます。

「3PL 2.0時代」の到来

3PLがこのニーズに応えるためには、今までの物流に関連した企画・管理・改善だけではなく、物流を中心に生産や販売を含めたロジスティクス全体に関する今までより幅の広い知識と実行力が必要となります。見方を変えれば、いままで物流の側面からしかできなかったことが幅広くできるようになり、その実力を発揮する場が広がったといえます。
つまり、3PLには、「物流部の支援」と「物流統括管理者(CLO)への支援」の2つの側面を持つことが求められる時代が到来したということです。
これは大きな変化ですから、産業革命になぞって表現すれば、3PL 2.0時代が到来したといえると思います。

では、そもそも3PLとは何なのでしょうか。
この点については、次回以降で整理していきたいと思います。

(文責:中谷)

自社の物流が第三者から見てどういうレベルなのか、一度知りたい方はお問い合わせください。

出典
国土交通省(2005) 総合物流施策大綱(2005年度~2009年度)
https://www.mlit.go.jp/common/001001766.pdf
参考
ロジ・ソリューション株式会社(2025) メールマガジン「ばんばん通信 第564号
内閣官房(2023) 物流革新に向けた政策パッケージ
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/buturyu_kakushin/pdf/20231226_1.pdf
国土交通省・経済産業省・農林水産省 物流効率化法理解促進ポータルサイト
https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/ (2026/05/04閲覧)

注記
このコラムは、過去の発信内容も踏まえて整理しています。