JISの改定に思うこと
日本産業規格(JIS)の物流用語が、今年改定されるようなことを聞きました。改定に当たって思うことを取り上げたいと思ます。
三元率
いままで、物流現場の改善を数多く手がけてきました。輸配送の改善は、よく検討したテーマです。配車を見直すことで輸配送の組合せを効率化できないか、輸配送の方法を変えられないか、運行方法を変えてもっとトラックを有効活用できないかなど色々な切り口があります。
輸配送の改善に限らず、まずは現状を把握しますが、その時に古くから用いられている「三元率」を意識して検討を進めてきました。
三元率とは、積載効率、実車率、稼働率です。これに回転率を加えると実態が良く見えてきます。

積載効率
中でも積載効率は、一番に検討を進める重要な切り口です。ところが、国土交通省などから発信されている「物流の2024年問題」の資料を見たときに、どこか理解できない感覚がありました。その理由が後になってわかったのですが、積載効率の定義が違っていたのです。
国土交通省の資料では、定義が異なるものもありましたが多くは「積載効率=積載率×実車率。(輸送トンキロ/能力トンキロ(空車時のデータを含む。))」と表示されています。つまり、トラックの運行に関する指標のかけ合わせです。これを知ったときに、理解できまし、以降個人としては文脈から判断してきました。
物流現場では
物流現場では、積載効率の定義は、「トラックなどの輸送機関の貨物が積載できる重量または容積に対する、積載物品の占有する容積、または重量」です。例えば、重量勝ちの貨物で、4トン積載できるトラックに2トン積んでいたら、積載効率は50%です。
日本産業規格の物流用語(JIS Z 0111:2006)を見ますと、積載効率は「輸送機関の貨物積載部の許容積載容積に対する積載物品の占有する容積、又は許容積載質量に対する積載物品の占有する質量」となっています。物流現場で長年いろいろな検討をしてきて、理解していることは、現在のJISの定義と合っていたのです。また、積載効率と積載率も同じような意味合いで使われていることが多いと思います。

JISの改定に思うこと
今年のJISの物流用語がどう改定されるのかどうかわかりませんが、ぜひ物流現場に一般的に使われるものにしていただけると良いと思います。
重要な指標のかけ合わせではなく、単独にしたほうがわかりやすいと思います。どうしても掛け合わせた上位の指標が必要であれば、例えば、「輸配送効率」など別の名称で定義すればよいのではないでしょうか。
言葉の定義は、大切です。共通用語があれば改善や高度化が進みやすいからです。そして、
「物流は現場で行われている」
ということです。机上の学問も重要ですが、ぜひ物流現場の感覚に合った改定を期待したいところです。
(文責 中谷)
輸配送改善に取り組みたい方は、お問い合わせください。
出典
・合同会議とりまとめ 国土交通省 交通政策審議会 交通体系分科会 物流部会・経済産業省 産業構造審議会 商務流通情報分科会 流通小委員会・ 農林水産省 食料・農業・農村政策審議会 食料産業部会 物流小委員会 2024年11月27日 https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000844.html
・日本産業規格 物流用語 JIS Z 0111:2006


