3PLと物流事業者の関係
「3PLはだれがやるかではなく、なにをやるか」です。ここでは、「3PLをやれそうなのはだれなのか」を考えてみます。
本当に「本来の3PL」の企業はあるのか
総合物流施策大綱の3PLの定義では、「荷主でもない、単なる運送事業者でもない」という表現になっていましたが、「単なる物流事業者でない」と表現されていればわかりやすかったと思います。理解を深めるため先のコラムでは、3PLの定義について3つのキーワードとその本質を取り上げました。「そんなことをしてくれる会社はあるの?」という声が聞こえてきそうです。実際には少ないですが、狭義の3PLを長期にわたって遂行し、確実に成果につなげている会社があります。
物流事業者は3PLなのか
これまでの3PLの概念は本来あるべき考え方ですが、「狭義の3PL」として、3PLの今までの進化を踏まえて違った形の「広義の3PL」についても、考えていくことが必要です。
提案型の元請物流事業者は、3PLとして活躍しやすい事業者の一つです。
元請けとして広範囲の物流業務を担当している場合、いろいろなコミュニケーションを通してパートナーシップが熟成されていくと思います。これは、3PLとして「パートナー」というキーワードに該当することとなります。
また元請物流事業者は、いろいろな提案をしていくと思いますが、この提案が受託範囲間拡大のためだけでしたら、元請物流事業者としての普通の活動と思われます。しかしながら、荷主の立場での提案であれば、3PLとしての役割を果たしていると考えられます。つまり「荷主の立場」のキーワードに該当することになります。問題は、その提案の範囲です。
荷主企業の物流事業者選定(いわゆる物流コンペ)をご支援させていただいたときに、提案側の物流事業者より十分な提案範囲を示しているにもかかわらず、もっと範囲を細かく提示してほしいという要望を受けたことがあります。これは、物流業務の範囲内であれば、細かい条件まで加味して提案できるという理由からでした。物流事業者は、従来から決められた枠の中で効率化を進めてきていますので、この活動は得意です。しかしながら、荷主側が期待しているのは、提示した条件での提案もさることながら、物流の範囲を超え、生産や販売などを含めた提案ができるかどうかです。つまり、ロジスティクスにかかわる提案ができる力があるかを見ていたのです。3PLでいうと「ロジスティクス領域」というキーワードに該当します。

物流子会社は3PLなのか
物流子会社も3PLとして活躍しやすい事業者の一つです。
取り扱いの商品に関する知識は豊富ですし、その生産や販売などについての情報や知識もあります。また、自社の子会社ということで安定的で融通が利く面もあるでしょう。ただ注意すべきなのは、業務の線引きがあいまいになっていないか、子会社での効率化がグループ全体の効率化につながっているかなど、物流子会社特有の特性に対する状況です。したがって、3PLと位置付けてよいかについては、物流子会社活用の良い点と注意すべき点を再評価することが必要です。それは、物流子会社といっても、設立の目的、対象業務、実務体制などのちがいから、色々な形があるためです。
したがって、物流子会社に3PLとしての実力があるのか評価し、不足の点がある場合は、どこを強化すれば3PLとして役割を担えるのかについて明確にしていくことが3PLにつながります。
3PL体制
では、どのようにすれば3PLとして機能する体制になるのでしょうか。
元請物流事業者の場合、荷主の立場で改革や改善を行う部門(3PL部門)と実物流部門の2つにわけることが近道です。社内で部門を分けたり、別会社化したりすることも良いと思います。物流子会社で物流実務を行っている場合も、これと同様の考え方です。
物流子会社で物流管理だけを担当している場合は、3PLにより近いと考えられます。
いずれにしても、3PL部門が荷主の立場でいることができるかが注意すべきポイントです。自社の物流業務に有利な提案しているようでは3PLとは言えないためです。

あなたが3PLと呼んでいる企業は、どのような体制で3PLと呼べますか?
3PLに期待することについて、次回以降で整理していきたいと思います。
(文責 中谷)
委託している3PL企業の実力が知りたい方は、お問い合わせください。
参考
国土交通省(2005) 総合物流施策大綱(2005年度~2009年度)
https://www.mlit.go.jp/common/001001766.pdf


