3PLに期待すること

3PLに期待することが少しずれていると感じる場合があります。ここでは、海外の3PLの誕生の歴史から、3PLに期待することについて取り上げます。

3PL満足度調査

2000年代から3PLが日本に定着しだしましたが、3PL体制を取ろうとする企業の多くが、「コスト削減」を期待していました。しかしながら結果として、期待外れになった企業が多くなったのではないでしょうか。それは、満足度調査の結果からも見て取ることができます。3PLに重視するものは料金で他の項目と比べて大きく抜き出ていましたが、、それに対する満足度は上位数項目の中で最低という結果です。そもそも本来の3PL体制を取ったのか、単なるアウトソーシングだったのかはわかりませんが、コスト削減を期待したが思うようにできなかったということです。

海外の3PLの歴史

アメリカでは、規制緩和が行われ、物流業務に対する新規参入が増加することで過当競争の状況が生まれました。大手事業者は営業力や情報力をもとに生き残りを図りますが、小規模事業者や一台だけのオーナードライバーは価格で対抗するような状況で企業間格差が拡大したといわれています。その中で大手企業を中心に付加価値をつけて利益を上げようと考え、3PL事業を生み出しました。コンサルティングや情報管理、全体のマネジメントなどの付加価値をつけて売上や利益を獲得しようとする考え方です。一方荷主は、物流がコア業務でなければアウトソーシングしたいと考える企業が多い時期で、ちょうど考え方がマッチしたため、3PLが急速に発展したといわれています。この流れはヨーロッパでも同様です。

アメリカの3PL会社で感じたこと

1990年代後半にアメリカの3PL事業者を訪問した際には、いろいろな考え方に触れることができました。別会社化し輸送のマネジメントをしている会社では、壁一面に全米の地図が映し出され、トラックの位置が表示されており、目を見張った記憶があります。そのほか貨物と輸送のマッチングの仕組みからオペレーションまで完結するようなサービスを提供する会社、商流にまで入り込んでいく会社などいろいろなアイデアで付加価値を生み出していたように思います。
このような歴史から読み取れるのは、コスト削減だけがねらいではなく、本業にリソースを集中したい、物流の最適体制を維持したいなどのねらいがあったことです。つまり、3PL体制構築で期待すべきことは、コスト削減だけではなく、本業集中や最適体制の維持なのです。

本業集中とは

では、この本業集中とはどのようなことでしょうか。
今まで多くの企業に「物流診断」をさせていただきました。物流診断とは、物流の健康診断のようなもので、現在の状況を整理し、今後取り組むべき課題、その実行策を整理し、推進のシナリオを作るものです。この際、各社の物流部門がどのような業務を行っているかも診断するのですが、多くの場合、企画と管理が業務の中心です。日々の物流業務が滞りなく行われるよう管理することと何か問題が起こったときに対処することが中心で、戦略策定や改革の推進などは時間がないためほとんどできていないという状況です。
3PL化に期待することは、荷主側が行っていた業務を3PLに委託し、本来行うべき戦略策定や改革の推進に力をかけることなのです。これが本業集中の一つで、とても重要なことです。

あなたが3PLに期待することはなんですか?
3PLへの委託について、次回以降で整理していきたいと思います。

(文責 中谷)

3PL体制構築をお考えの方は、お問い合わせください。

参考
ライノス・パブリケーションズ(2015)『月刊ロジスティクス・ビジネス』2015年8月号