3PLの成果配分-1

荷主と3PL事業者の契約において、盛り込むべきものとして「成果配分」があることを取り上げました。ここでは、3PL事業者や物流事業者などの受託者が実物流を契約している場合を想定して、成果配分について取り上げます。

従来型の契約料金

従来型とは、現在も多く取り決められている方式で、運賃などの原価に管理費や利益を含めたトータルの料金で契約する方式です。この場合、含まれている利益は不明です。
この契約料金体系において、受託側は、請求額が変わらずコストの下がる施策は、積極的に取り組みます。自社の利益の増大につながるからです。
一方、受託者側の請求額が低下するような施策は、コスト削減ができるとしても自社の利益の減少につながるため、積極的には取り組まない形となります。荷主の物流担当者の方から、「物流業務を委託している物流事業者から提案がない」と聞くのは、この状態になるためです。
より良い体制を維持していくためには、荷主側が物流状況や市況単価などを管理し、受託側に効率化などを働きかけ、原価低減に合わせて料金レベルも見直すという活動が必要となります。この活動が弱いと荷主側の物流費が高止まりする可能性もあります。

                   物流業務受託側の構造

フィー方式の契約料金

この方式は、オープンブック(Open-book)方式とも呼ばれ、原価が公開(オープン)されていて、そこに管理費などの手数料(フィー)をプラスした料金で契約する方式です。
この契約体系においては、受託側は原価変動の影響を受けないため、安定した手数料を受け取ることになりますが、利益を増大させるのは難しいという面で面白みがないとも言えます。逆に言うと、コスト削減の推進やコスト上昇の圧縮に対して、積極的に取り組まなくても良い状況でもあるとも言えます。

成果配分

フィー方式の弱点を補い、効率化を進めることにつなげられる仕組みが成果配分です。
成果配分は、効率化施策を実行し、得られた成果を委託側(荷主側)と受託側で分ける方式のことです。この仕組みを導入すると、受託側は、安定したフィーにプラスして利益を増やすことができるため、効率化施策を企画し、実行していくようになります。委託側は、受託側と協力して効率化を進めやすくなるとともに、効率化の成果を上げられるようになります。

            物流業務受託側の構造(フィー方式)

成果配分の成功のために大切なこと

「3PLの事業構造」のコラムで取り上げましたが、3PL事業者の提案力には注意が必要です。スタート当初は効率化策が成果を上げ、成果配分が大きく、時間の経過とともに効率化の規模が小さくなることが一般的です。継続して成果を上げるためには、委託側と受託側が協力して、物流を超える提案をしつづけられるかにかかっています。

現在の委託先との契約方式は、どのようなものになっていますか。
成果配分の運用については、次回以降に取り上げたいと思います

(文責 中谷)

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