3PLの「L」について考える-4

今回は、「3PLの「L」について考える」の最終回です。物流とロジスティクス、そして3PLの役割について取り上げてみたいと思います。


物流とロジスティクスの定義

物流の定義は、日本産業規格(以下JIS)において次のようになっています。「物資を供給者から需要者へ,時間的及び空間的に移動する過程の活動。一般的には,包装,輸送,保管,荷役,流通加工及びそれらに関連する情報の諸機能を総合的に管理する活動。 調達物流,生産物流,販売物流,回収物流(静脈物流),消費者物流など,対象領域を特定して呼ぶこともある。」
また、ロジスティクスは、もともと軍事戦略における物資や兵員を前線に供給するための基地の運営を意味する言葉で、日本語では「兵站(へいたん)」と呼ばれていました。この考え方を企業経営に応用したものが「ビジネス・ロジスティクス」といわれ、現在はロジスティクスと呼ばれています。JISにおける定義は、次のようになっています。
「物流の諸機能を高度化し,調達,生産,販売,回収などの分野を統合して,需要と供給との適正化を図るとともに顧客満足を向上させ,併せて環境保全,安全対策などをはじめとした社会的課題への対応を目指す戦略的な経営管理。」
ロジスティクスは、企業インフラや人的資源、技術などをもとに「購買および調達物流」「製造」「販売物流」「マーケティングおよび営業」「サービス」などの活動を相互に結びつけることで、市場動向に対する一貫したマネジメントを行うことをいいます。言い換えるとロジスティクスは、物流のみならず生産、販売など様々な企業活動の全体を最適化するという大きな目的を持つものであり、企業経営における戦略的な意味を持つものです。
もう一つ考えに入れておくことが必要なことは、アメリカでは「Physical Distribution」という概念が使われていましたが、今ではより広い概念として「Logistics」が使われているものの、日本では明確に使い分けられているということです。




日本の3PLが担うべき役割

前回のコラムで三層に分けて考えましたが、それに合わせて荷主と3PLの役割について考えてみます。
戦略の策定やその推進は、荷主が行うべきものです。3PLは、そのロジスティクスに関する専門性やコンサルティング力をもとに策定を支援立場にあるといえます。
企画/管理は、荷主の立場で考えると3PLと協働で推進すべきもので、3PL側から見ると荷主のパートナーとして推進すべきものです。ここが一番重要なところです。
実務は、荷主として全体を統括管理することは必要ですが、3PLに実際の管理をゆだねる形でもよいと思います。アセット型の3PLの場合は、自社3PL部門が自社実物流部門を管理する形となります。

アメリカの3PLの「L」が、物流より広い概念としてロジスティクスを指しているとする、日本の3PLの担うべき役割は、「物流」と「ロジスティクス」の両方だと考えるべきです。
3PLを単なる物流業務の一括アウトソーシングとして捉えるのではなく、役割を明確にするためにも、3PLの「L」はLogisticsの「L」であると再認識することが重要です。

委託先の3PLは、ロジスティクス業務を担ってくれていますか?

(文責 中谷)

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出典
日本産業規格 JIS Z 0111 : 2006 物流用語
基本がわかる実践できる 物流(ロジスティクス)の基本教科書 日本能率協会マネジメントセンター
間違いだらけの物流業務委託  日刊工業新聞社