3PLの「L」について考える-1
3PLは、Third Party Logistics の略ですが、ここではその「L」について取り上げてみたいと思います。
企業のロジスティクス活動
企業によってその活動の担当部署や推進方法は異なると思いますが、一般的に活動は大きく分けて、戦略、企画、実行、管理/改善の4つに分かれます。
多くの企業のご支援をさせていただき感じたことは、ロジスティクスというくくりで活動をされている企業がまだまだ少ないことです。多くの企業では物流を中心に担当されている部門がありますが、物流を日々滞りなく行うこと、それに関する改善を進めること、経営から求められることに対する企画をすることなどで手いっぱいで、戦略面に手が回らないのが実態です。ここでは、活動の内容について、順に取り上げていきます。
ロジスティクス活動の「戦略」
ロジスティクス活動における「戦略」は、企業経営の根幹にかかわる内容ですから、非常に重要です。
企業の中期経営計画に合わせて、物流の中期計画を策定されていますでしょうか。最終年度の達成したい姿を想定し、それに向けた年次計画を策定することが必要です。また、環境変化に合わせて柔軟に対応することも必要です。あわせて、予算と投資計画を策定します。企業の業績への影響も考えると、物流面での投資は、計画的に進める必要があるためです。
需給調整と在庫計画の立案は、物流拠点の配置や規模、輸配送ネットワークなどにかかわる重要な前提条件となるものです。例えば、在庫を多く持つ方針の場合、それに合う規模の拠点が必要ですし、入出荷のオペレーションにもかかわるためです。
物流委託政策立案では、委託の考え方や範囲、求めるレベルを明確にして、委託先選定や評価につなげていきます。
ロジスティクス関連組織整備は、企業としてありたい姿にかかわってきますので、経営と一緒に組織の在り方やミッションなどを検討し、整備を進めます。
サプライチェーン最適化では、自社だけにとどまらずサプライチェーン全体に対する企画を行います。サプライチェーンに関連する多くの企業と最適化を目指すのが理想ですが、自社とその川上、川下の企業と最適化を図るところから進めることが第一歩です。そのためには、自社のロジスティクスが高いレベルにあることが求められます。

ロジスティクス活動の「企画」
ネットワーク設計では、最適物流ネットワークの設計・維持・改善を行います。配送コストと物流センターや在庫のコストはトレードオフの関係にありますが、さらに経営から求められるサービスレベルも加味した最適な体制を設計し、継続的に維持し続ける必要があります。
オペレーション設計では、新技術や新システムの導入を検討します。標準化や共同化など他社と関連するものもありますし、自社のオペレーションに対するものもあります。現在、自動運転やAIをはじめとして、革新的な技術が登場し、その進化のスビートも速いため、それらへの対応も求められます。
そのための基礎となるのが、物流技術の情報収集・研究開発・導入推進です。最新技術に関する情報にアンテナをはり、自社での活用を考え、実地に導入してみることです。その場合も、新しいアイデアや技術が実現可能かについて、本格的な開発や導入の前に小規模な検証(PoC=Proof of Concept)を行うとよいと思います。
情報システムの整備では、全社の情報システムと連携し、ロジスティクス面で必要な情報システムについて整備を進めます。ここでは、稼働開始時や稼働時に安定していることが前提ですが、新技術や新システムの取り込みも並行して行うことが必要です。
管理指標の体系整備では、管理の目的を明確にし、SQCDPMER(安全、品質、コスト/価格、納期、生産性、士気や人間関係、環境、リスク)に関する重要業績評価指標(KPI=Key Performance Indicator)を設定します。同時に、重要目標達成指標(KGI=Key Goal Indicator)からの体系やその運用方法を設計することも忘れてはなりません。
契約/支払設計では、契約内容で効率化が進む料金体系や管理方法を考えます。荷主と物流事業者間もありますが、荷主の物流部門と生産や販売部門との管理方法なども対象です。
物流人材育成は、時間がかかりますので計画的に進めることが必要です。外部の講座などを自社教育計画に組み込んでいる場合もありますが、求める人材像を明確にして、設計することが重要です。

次回は、この続きについて取り上げます。
(文責 中谷)
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出典
基本がわかる実践できる 物流(ロジスティクス)の基本教科書 日本能率協会マネジメントセンター


